
心電図検定とJHRS認定心電図専門士、どっちを受けたらいい?
生理検査室や心電図室に配属されると、「せっかく勉強するなら心電図の資格を取りたい」と考えることがありますよね。
日本不整脈心電学会には「心電図検定」と「JHRS認定心電図専門士」がありますが、この2つは受験資格だけでなく、試験で問われる内容や取得後の更新にも大きな違いがあります。
私自身も心電図検定2級を受検しましたが、心電図検定は新人さんだけのものではありません。心エコーなど他の検査を経験してから改めて心電図を勉強すると、以前とは違った見え方をすることもあります。
この記事では、心電図検定とJHRS認定心電図専門士の違いを比較しながら、どんな人に向いているのかを整理します。
心電図検定と認定心電図専門士の違い
| 心電図検定 | JHRS認定心電図専門士 | |
|---|---|---|
| 受験資格 | 誰でも受検可能 | 国家資格・実務経験・学会所属などの条件あり |
| 級 | 1〜4級 | なし |
| 主な試験内容 | 心電図の判読 | 心電図の基礎知識・検査手技・心電図所見の判読など |
| 出題数 | 50問 | 50問 |
| 更新 | なし | 5年ごと |
| 学会入会 | 不要 | 必要 |
大きな違いは、心電図検定は心電図の判読力を段階的に確認する検定、JHRS認定心電図専門士は実務経験や学会所属も求められる認定資格という点です。
1.受験資格
心電図検定は、心電図に興味がある人なら誰でも受検できます。医療資格や実務経験は必要なく、日本不整脈心電学会の会員である必要もありません。
4級から順番に受ける必要もなく、自分のレベルに合わせて好きな級から受検できます。
一方、JHRS認定心電図専門士は受験するための条件があります。
- 医師、臨床検査技師、看護師、臨床工学技士の国家試験に合格している
- 原則として3年以上の実務経験がある
- 日本不整脈心電学会のA・B・Cいずれかの会員である
- 年会費を完納している
つまり、学生さんや実務経験が浅いうちから挑戦しやすいのは心電図検定です。JHRS認定心電図専門士は、ある程度実務を経験してから目指す資格と考えると分かりやすいでしょう。
認定心電図専門士の受験資格には「原則3年以上」とあります。3年に少し届かない場合の扱いや、2026年度の申込み方法については、こちらの記事で詳しくまとめています。
2.出題範囲と難易度
心電図検定は、心電図の判読が中心です。4級(基礎)、3級(初級)、2級(中級)、1級(上級)に分かれているため、自分のレベルに合わせて目標を決められます。
2026年度はいずれの級も50問のマークシート方式で、試験時間は1〜3級が100分、4級が80分です。
一方、JHRS認定心電図専門士は、心電図を読めるだけではなく、心電図学の基礎知識や検査手技まで出題範囲に含まれます。
試験は50問を100分で解き、「心電図学の基礎知識」と「心電図所見の判読」のそれぞれに合否判定の基準点があります。
以前は「心電図検定2級と認定心電図専門士は同じくらい」といった比較を見かけることもありましたが、出題範囲が同じ試験ではありません。単純にどちらが難しいと比べるより、判読力を試したいのか、心電図検査全体の知識を含めて認定資格を目指したいのかで選ぶ方がよいでしょう。
3.受験料と学会費
心電図検定の2026年度の検定料は、4級5,000円、3級6,000円、2級8,000円、1級10,000円です。別途システム利用料がかかりますが、日本不整脈心電学会へ入会する必要はありません。
一方、JHRS認定心電図専門士は受験料だけでなく、学会員であることが受験資格になっています。
日本不整脈心電学会の年会費は会員区分によって異なり、2026年度時点ではA会員12,000円、B会員6,000円、C会員8,000円です。臨床検査技師などの国家医療資格者は、条件に応じてB会員を選択できます。
受験時だけでなく、資格を維持する間も学会員を継続する必要があるため、費用面では心電図検定より負担が大きくなります。
4.資格更新の有無
ここは2つの資格の大きな違いです。心電図検定には更新制度がなく、合格後に更新料や単位取得は必要ありません。
JHRS認定心電図専門士は5年ごとの更新が必要です。資格取得後も日本不整脈心電学会の会員を継続し、5年間で50単位を取得します。
50単位のうち10単位は学会主催の学術大会・学術研究会などへの参加による取得が必須で、Web参加で取得できる単位には20単位までという上限もあります。
そのため、認定心電図専門士を目指すなら「試験に合格できるか」だけでなく、取得後も学会参加や勉強を続けながら資格を維持したいかまで考えて選ぶことが大切です。
心電図検定がおすすめなのはこんな人
- 心電図の判読力を身につけたい人
- 学生、新人など実務経験がまだ浅い人
- まずは心電図の勉強を始める目標が欲しい人
- 学会費や資格更新の負担を増やしたくない人
- 中堅以降でも、改めて心電図を勉強し直したい人
心電図検定は4級から1級まで段階があるので、「まず3級」「次は2級」のように目標を作りやすいのがメリットです。
私自身も心電図検定2級を受検しましたが、ある程度ほかの生理検査を経験してから心電図を勉強し直すのもおすすめです。心エコーで見ている病態と心電図所見がつながると、ただ波形を覚えていた頃より理解しやすくなることがあります。
JHRS認定心電図専門士がおすすめなのはこんな人
- 心電図検査を今後も専門的に続けたい人
- 判読だけでなく、心電図検査の基礎や手技まで体系的に学びたい人
- 勤務先などで認定資格取得に意味がある人
- 資格取得後も学会参加や継続学習を続けたい人
認定心電図専門士は、受験資格があり、取得後にも更新が必要です。その分、「とりあえず何か心電図の資格を取りたい」という人より、今後も心電図検査を専門分野のひとつとして深めていきたい人に向いています。
迷ったら、まず心電図検定からでもOK
心電図検定とJHRS認定心電図専門士は、どちらが上というより目的が違います。
心電図の判読を勉強したいなら心電図検定、実務経験を積んだうえで心電図検査全体を深め、認定資格として維持していきたいならJHRS認定心電図専門士が候補になります。
まだ迷っている段階なら、受験資格がなく更新も不要な心電図検定から挑戦して、自分がどこまで心電図を深めたいのか考えるのもひとつの方法です。
それぞれの試験日程や合格率、申込み方法などは、個別の記事で詳しくまとめています。




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