はじめに|計測は作業として慣れた人ほど油断する
認定超音波検査士(循環器領域)の試験対策をしていると、多くの受験者がこう考えます。
「計測は実務でやっているし、ここは大丈夫でしょ?」。
ところが、受験後の体験談を見ていくと、実は計測で思ったより点が取れなかったという声は少なくありません。それも、実務経験のある人のほうが引っかかっている印象があります。
理由は2つ。
一つ目は、試験で問われている計測は、日常業務で行っている計測と「見られ方」が違うから。
二つ目は、年々難化していて、公式の問題集だけでは網羅できなくなっているから。
試験における計測問題の前提
認定超音波検査士試験の循環器問題は、ほとんどが画像問題です。
心エコー画像が提示され、その画像を見たうえで選択肢を選ばせる形式になっています。
計測問題で問われる形は、具体的に以下の通りです。
測定画像から計算して、
・〇〇の数値はいくつか。
・高度〇〇である/中度〇〇である/軽度〇〇である。
・高度/中度/軽度〇〇のため、治療法△△の基準を満たす/満たさない。
などがあげられます。2025年には治療まで絡めて出題されました。
このように、試験ではその画像から得られる計測値が病態として妥当かどうかも問われます。
つまり、計測そのものだけでなく「その数値をどう解釈するか」まで問われることもあるのです。
なぜ計測は試験で差がつきやすいのか
実務では、計測はある意味ルーチン作業です。
決められた断面で、決められた項目を測り、結果を記載する。
特に中小病院だと、その計測値が何を意味するかを毎回深く考える場面は多くないかもしれません。
しかし試験では、その前提が通用しません。
提示された画像を見て、「この計測値が出ること自体が正しいのか」「その数値から何が言えるのか」を考えさせられます。
数値を覚えているかどうかではなく、画像・病態・計測・治療の関係が頭の中でつながっているか。
ここで理解の浅さがはっきり出ます。
計測問題で実際によく問われている視点
体験談を整理すると、計測問題では次のような視点が使われています。
まず、その計測がどの評価を目的としたものかを理解しているか。
次に、その画像条件で、その計測値が本当に妥当かどうか。
そして、その数値が示す病態が、画像全体の所見と矛盾していないか。
計測値だけを単独で見て判断しようとすると、選択肢がどれもそれらしく見えて迷ってしまいます。
一方で、画像全体から病態を考えたうえで計測を見ると、不自然な選択肢は意外と消せることが多いです。
試験向けの計測対策で意識したい考え方
計測問題で特に多い失敗が、「数字を見た瞬間に判断してしまう」ことです。
選択肢に具体的な数値が出てくると、反射的に「高い」「低い」と判断してしまいがちですが、試験ではそこを狙われています。
勉強中は「この数値で何が言えるのか」を必ず言葉にしてみてください。
意味を説明できない計測は、本番でも選択肢を切れません。
また、「普段はこう測っているから」という実務感覚も、試験では必ずしも正解につながりません。
試験の画像は、あえて条件が分かりにくく作られていることもあり、「いつものやり方」を前提にすると違和感を見逃してしまいます。
加えて、意外と軽視されがちなのが、正常画像と正常計測です。
試験では、正常を基準にしたズレを見せる問題が多いため、正常の理解が曖昧だと、異常の判断も不安定になります。
計測は「合否を分ける分野」
過去に出題された計測問題は、単純に計算が出ることも多く、難問が出る分野ではありませんでした。
弁膜症の程度やEFを算出できれば良かったのです。
そこから徐々に、計算で求めるものを変えて出題されてきていたのが、遂にネタ切れになって2025年には治療まで絡めて出題されるようになりました。
予想問題集のみを勉強して、ルーチンでやっているからと計算問題を雑に扱うと確実に点を落とします。
逆に言えば、考え方を整理するだけで、安定して点が取れる分野でもあります。
先天性心疾患や弁膜症が組み合わされることも多いため、計測で迷わなくなることは、そのまま合格ラインを超える力につながります。
まとめ|難化してきた計測問題はこう考える
認定超音波検査士試験の循環器における計測問題は、数値を覚えているかどうかを見ているわけではありません。
画像と病態を踏まえたうえで、その計測値を正しく解釈できるかどうかを問われています。
「普段やっているから大丈夫」と思った瞬間が、一番危ない。
そう意識して対策することで、計測は失点源から確実な得点源に変わります。





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