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認定超音波検査士(循環器)の心筋症対策|心エコーで押さえたいポイント

認定超音波検査士の循環器領域を勉強していると、心筋症は少し対策しにくい分野だと思います。HCM、DCM、心アミロイドーシスなど疾患が多いうえに、心エコーでは壁厚だけでなく、SAMや左室流出路狭窄、心機能まで見なければいけません。

私自身も循環器領域を受験しましたが、心筋症は疾患ごとの特徴をバラバラに暗記するより、「心臓の形がどう変わるのか→その結果、血流や心機能がどう変化するのか」とつなげた方が整理しやすい分野です。

この記事では、日本超音波医学会の「超音波検査士研修ガイドライン(第3版)」を参考に、認定超音波検査士(循環器)の試験対策として押さえておきたい心筋症のポイントを整理します。

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超音波検査士試験では、心筋症をどこまで勉強する?

心筋症というとHCMとDCMが真っ先に浮かびますが、超音波検査士研修ガイドラインを見ると、それだけではありません。特発性心筋症として肥大型心筋症、拡張型心筋症、拘束型心筋症、不整脈源性右室心筋症などが挙げられています。

さらに特定心筋症として、心筋炎、アミロイドーシス、心サルコイドーシス、Fabry病なども記載されています。

とはいえ、これらを最初からすべて同じ深さで覚えようとすると大変です。

まずはHCMとDCMについて、典型的な形態と血行動態を画像から説明できる状態を目指しましょう。そのうえで、拘束型心筋症や不整脈源性右室心筋症、心アミロイドーシスなどの特徴を整理していくと勉強しやすいと思います。

循環器全体で「何から勉強したらいい?」と迷っている方は、先に「認定超音波検査士|循環器領域の攻略法」で全体の優先順位を確認してみてください。

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肥大型心筋症(HCM)は「壁が厚い」だけで覚えない

HCMでまず確認したいのは左室壁の肥厚です。ただし、試験対策で「HCM=壁が厚い」とだけ覚えるのはおすすめしません。

超音波検査士研修ガイドラインでは、壁厚計測のほか、病型分類、流出路狭窄、中部狭窄、圧較差、SAM、ASH、心尖部肥大、左室拡張障害、房室弁逆流なども挙げられています。

つまり、壁が厚いことを見つけて終わりではありません。**「どこが肥厚している?」「その結果、血流にどんな変化が起きている?」**まで考えられるようにしておきたいところです。

ASHや心尖部肥大は画像と一緒に覚える

HCMには肥大する部位によってさまざまな形があります。試験勉強では病型名だけを覚えるのではなく、心室中隔が優位に肥厚しているのか、心尖部が肥厚しているのかを実際の心エコー画像と一緒に確認しておきましょう。

特にASH(非対称性中隔肥厚)は、「HCMで出てくる用語」と覚えるだけでは画像問題に対応しにくくなります。どこがどのように厚くなっているのか、自分で画像を見て判断できるところまで持っていくのがおすすめです。

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SAMとLVOT狭窄はセットで理解する

HCMで特に整理しておきたいのが、SAM(僧帽弁の収縮期前方運動)と左室流出路(LVOT)狭窄です。閉塞性肥大型心筋症では、左室流出路の血流速度や圧較差の評価も重要になります。

ここは用語を別々に暗記するより、一連の血行動態として理解した方が覚えやすいです。

中隔肥厚・SAM
↓
LVOT狭窄
↓
流速上昇
↓
圧較差上昇

この流れを頭に入れておけば、断層像とドプラ画像が別々に提示されても、何を評価している画像なのか考えやすくなります。

LVOT圧較差はドプラから計算する

LVOTの流速が分かれば、簡易ベルヌーイの式を使って圧較差を求められます。

ΔP=4V²

たとえば最高血流速度が4 m/sなら、圧較差は次のように計算できます。

4×4²=64 mmHg

式だけを暗記するより、「狭窄によって流速が上がる→その流速から圧較差を求める」と理解しておく方が応用しやすくなります。弁膜症などでも使う考え方なので、計算そのものが苦手な方は「超音波検査士|試験対策【循環器計算問題編】」も一緒に確認してみてください。

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DCMは「大きくて動かない」から一歩進める

拡張型心筋症(DCM)では、左室拡大と壁運動低下が大きな特徴です。超音波検査士研修ガイドラインでは、それに加えて壁在血栓、もやもやエコー、房室弁逆流なども確認項目として挙げられています。

まずは左室の形態と収縮能を確認し、そこからほかの所見へ広げて考えてみましょう。

左室拡大
↓
収縮能低下
↓
血流うっ滞や房室弁逆流など

画像問題でも「EFが低いからDCM」と数値だけで判断するのではなく、左室は拡大しているか、壁運動はどうか、血栓や僧帽弁逆流などを伴っていないか、と順番に確認する方が病態を理解しやすくなります。

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拘束型心筋症・不整脈源性右室心筋症も確認しておく

HCMやDCMほど馴染みがないかもしれませんが、拘束型心筋症や不整脈源性右室心筋症も超音波検査士研修ガイドラインに記載されています。

不整脈源性右室心筋症では、右室拡大や右室壁運動異常など、右室を中心とした変化を確認します。HCM・DCMだけで心筋症の勉強を終わりにせず、「どの心腔に、どんな異常が現れる疾患なのか」くらいは整理しておきましょう。

ただし、試験勉強の最初から細かな診断基準をすべて暗記する必要はないと思います。

まずHCM・DCMの典型的な画像と血行動態を固め、そのあとにその他の心筋症へ広げる方が、循環器が苦手な方には進めやすいです。

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心アミロイドーシスは「壁が厚い」だけで判断しない

特定心筋症の中では、心アミロイドーシスも確認しておきたい疾患です。超音波検査士研修ガイドラインでは、左室壁の特徴的なエコー所見や左室拡張障害などが挙げられています。

ただし、壁肥厚などひとつの所見だけを見て「心アミロイドーシス」と決めつけるのは避けましょう。

心エコーでは壁厚だけでなく、左右心室や心房、弁、心膜液、拡張能などを含めて全体を見ることが大切です。画像問題を勉強するときも、「この所見があるからこの疾患」と一対一で覚えるのではなく、複数の所見を組み合わせて考えるようにしておくと応用しやすくなります。

Apical sparingも一対一で暗記しない

心アミロイドーシスを勉強していると、apical sparingという言葉も出てきます。これはlongitudinal strainが心基部側で低下し、相対的に心尖部で保たれるパターンです。

心アミロイドーシスを疑う手がかりのひとつですが、「apical sparingがある=心アミロイドーシス」と一対一で覚えるのは避けましょう。

試験対策でも実際の心エコーでも、ひとつの所見だけで判断しないことが大切です。

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心サルコイドーシスやFabry病まで全部覚える?

超音波検査士研修ガイドラインには、心筋炎、心アミロイドーシス、心サルコイドーシス、Fabry病など、さまざまな疾患が記載されています。

だからといって、最初からすべての疾患について診断基準や治療まで深く勉強しようとすると、心筋症だけでかなり時間がかかってしまいます。

まずはHCM・DCMなど基本となる心筋症について、形態と血行動態を画像から説明できる状態を目指しましょう。そのうえで、その他の疾患について特徴的な心エコー所見を確認していく、という順番がおすすめです。

なお、研修ガイドラインに掲載されていることと、実際の試験での出題頻度は別の話です。「ガイドラインに載っている=すべて同じ深さで覚える必要がある」とは考えなくて大丈夫です。

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心筋症の画像問題は「どこが異常?」から考える

心筋症の画像を見たときに、最初から疾患名を当てにいく必要はありません。まず画像から分かる異常をひとつずつ拾っていく方が整理しやすいです。

私なら、次のような順番で確認します。

  1. 左室壁は厚い?薄い?
  2. 肥厚しているなら、どこが厚い?
  3. 左室内腔は拡大している?狭い?
  4. 壁運動・収縮能はどうなっている?
  5. SAMやLVOT狭窄はある?
  6. 右室にも異常はある?
  7. 逆流、血栓、拡張障害などの所見はある?

この順番で見ると、「HCMの画像だからHCMの特徴を探そう」ではなく、見えている所見から病態を組み立てる練習になります。これは心筋症だけでなく、弁膜症や先天性心疾患などの画像問題でも使える考え方です。

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第40回試験でも心筋症をどう見るかは確認しておきたい

第40回認定超音波検査士試験(循環器)の出題傾向をまとめた記事でも、HCMについてSAMとLVOT狭窄、ドプラによる圧較差などを取り上げています。

研修ガイドラインでもHCMについて、壁厚や病型だけでなくSAM、流出路狭窄、圧較差などが記載されています。単語をひとつずつ覚えるのではなく、画像と血行動態をつなげて勉強しておきたいところです。

実際の試験対策としてどんなところを確認しておきたいかは、「第40回認定超音波検査士試験(循環器)出題傾向と合格のための試験対策【2025年】」でもまとめています。

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まとめ|心筋症は「形態→血行動態」で整理しよう

認定超音波検査士(循環器)の心筋症対策では、疾患名と特徴をひとつずつ丸暗記するより、心エコー画像と病態をつなげて理解することが大切です。

特にHCMでは、壁肥厚やSAMを見つけたあとにLVOT狭窄、流速、圧較差までつなげて考えてみてください。DCMでは左室拡大と収縮能低下だけで終わらず、逆流や血流うっ滞など、その先に起こる変化まで一緒に整理しておくと理解しやすくなります。

心アミロイドーシスなどについても、ひとつの特徴的な所見だけで判断しないことが大切です。

循環器領域では、心筋症以外にも弁膜症、先天性心疾患、肺高血圧・右心負荷など押さえておきたい分野があります。「結局どこから勉強したらいい?」と迷った方は、「認定超音波検査士|循環器領域の攻略法」で全体の優先順位を確認してから、苦手な分野をひとつずつ埋めていってください。

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